職場の良い関係づくり入門

職場で信頼される 依頼されたタスクの受け方・進め方の確認

Tags: タスク管理, ビジネスコミュニケーション, 依頼対応, 確認方法, 新入社員

はじめに

職場で仕事を進める上で、上司や先輩、あるいは他部署の同僚から様々なタスクを依頼されることは日常的です。この「依頼を受ける」という最初のステップでの対応が、その後の業務の円滑さや、周囲からの信頼に大きく影響します。

特に、新入社員や若手社員のうちは、依頼内容を正確に理解できなかったり、どのように進めるべきか分からなかったりすることも少なくありません。しかし、曖昧なまま引き受けたり、後になって大幅な手戻りが発生したりすると、自分だけでなく依頼者の時間も無駄にし、信頼を損ねてしまう可能性があります。

この記事では、職場で依頼されたタスクを適切に受け止め、スムーズに進行するために不可欠な「確認」の重要性と、その具体的な方法について解説します。依頼内容を正しく把握し、期待に応えるための第一歩を踏み出しましょう。

なぜ依頼されたタスクの確認が必要なのか

依頼されたタスクについて、なぜ確認が重要なのでしょうか。主な理由は以下の通りです。

特に、仕様が変わりやすい開発業務や、テキストベースのコミュニケーションが多いIT業界では、言葉の綾や前提知識の違いから認識のズレが生じやすいため、意図的な確認のプロセスが非常に重要になります。

依頼を受けた直後に行うこと

タスクの依頼を受けたら、その場で行うべき基本的な行動があります。

  1. 傾聴し、メモを取る: 依頼者の話を注意深く聞きましょう。口頭での依頼の場合は、必ずメモを取る習慣をつけます。チャットやメールでの依頼であっても、後で確認しやすいように自分のタスクリストやノートに転記・要約すると良いでしょう。不明な点は、相手の話の区切りを見つけて質問します。
  2. 一度受け止める姿勢を示す: 「はい、承知いたしました」「ありがとうございます、担当させていただきます」といった返答で、依頼を受けたことを明確に伝えます。これにより、依頼者は「まずは受け止めてくれた」という安心感を得られます。

確認すべき具体的な項目

依頼内容を正確に把握するために、以下の項目を中心に確認します。全ての項目について細かく確認する必要はありませんが、特に不明瞭だと感じた部分は積極的に質問しましょう。

ITエンジニアであれば、「どのリポジトリのどのブランチに対して作業すれば良いか」「検証環境はどれを使えば良いか」「関連するチケット番号はあるか」「技術的な制約や推奨される実装パターンはあるか」など、より技術的な側面も確認項目に加わります。

確認・応答の具体的な方法

確認した内容を依頼者と共有し、合意を得るための方法です。

確認に対する依頼者からの返答を受け、「承知いたしました。この内容で進めます」「早速着手いたします」といった形で、タスクを引き受けたことと、今後のアクションを伝えることで、依頼は完了となります。

もし依頼内容が難しかったり、不明点が解消されない場合

確認を進める中で、「どうしても内容が理解できない」「期日内に完了するのが難しい」「タスクを進める上で大きな問題が見つかった」といった状況になることもあります。そのような時は、一人で抱え込まず、早めに依頼者やチームのリーダーに「相談」することが重要です。

「できません」「分かりません」とだけ伝えるのではなく、「〇〇の資料を拝見しましたが、△△の部分が理解できませんでした。もしよろしければ、詳しくご説明いただけますでしょうか」「現在の他のタスクの状況を考えると、期日である〇月〇日までに完了させるのが難しい見込みです。期日を調整いただくか、一部の作業を別の担当者にお願いできないかご相談させていただけますでしょうか」のように、状況と課題、そして相談の意図を具体的に伝えます。

相談もまた、適切なコミュニケーションの一つであり、信頼関係を維持・強化するために不可欠な行動です。

まとめ

職場で依頼されたタスクを適切に受け止め、確認し、応答することは、円滑な業務遂行と信頼関係構築の土台となります。依頼の目的や具体的な成果物、期日などをしっかりと確認し、必要であれば不明点を質問する勇気を持ちましょう。確認した内容を依頼者と共有し、共通認識を持つことで、手戻りを減らし、効率的に仕事を進めることができます。

「言われたことをただやる」のではなく、「なぜそれが必要なのか」「どう進めるのが最も効果的か」を考え、主体的にコミュニケーションを取ることが、プロフェッショナルとしての成長にも繋がります。今回ご紹介した基本的な確認のステップを、日々の業務でぜひ実践してみてください。